2016シーズン開幕となる全日本第1戦が4月9日・10日に筑波サーキットで開催されました。H43 Tema-NOBBYからJ-GP2クラスに三原壮紫と國峰啄磨が、H43 Team-NOBBY&ウイリーからJ-GP3クラスに菊池寛幸が参戦しました。開幕戦のJ-GP2クラスに関しては、二つのレースが行われ、全8レースで行われるシーズンの内の4分の1が消化されます。そのため、レースウイークの流れが二つのレースに影響し、結果としてそれがシーズン全体に大きく関わってくることから、慎重にセッションを進めることが求められます。
今回は開幕戦ということで、通常のレースウイークスタートが一日早い木曜日となりました。しかし残念ながら木曜日は終日雨となってしまいました。翌日からはドライとなることが予想されていたことから、晴用のセットアップを進めたいチームにとって、あいにくのコンディションとなってしまいました。
J-GP2
雨となった木曜日は走りのリズムが崩れることを懸念し、三原と國峰は走行をキャンセルしました。
翌金曜日のART合同テストは天気予報通りに雨は上がり、ドライコンディションで走行することができました。
J-GP2クラスの國峰は1回目の走行を57秒674で3番手、三原は58.148のタイムで10番手スタート。午後の2回目の走行は國峰57.676で3番手と変わらず、三原は57.946とタイムを上げて8番手に付けました。
土曜日の予選は、筑波初のスーパーポール方式が採用されました。これは、最初に40分間の計時予選を行い、上位10名のライダーを選出。一人1周ずつタイムアタックを行う、というものです。計時予選の結果が第2レースのスターティンググリッドとされ、スーパーポールの結果が第1レースのグリッドとされます。
計時予選を57秒469でクリアした國峰は2番手に付け、第2レースはフロントロー2番手という好位置からスタートを切ることになりました。三原は57秒673のタイムで6番手、2列目からのスタートとなります。
期待されたスーパーポールですが、二人とも初めての経験ということでミスもあり、三原が58秒057で5番手、國峰は58秒813で10番手となりました。
第1レースは土曜の午後に行われました。三原、國峰ともにスタートをミス。1周目を三原7位、國峰11位と順位を落としてしまいました。しかしそこから順調にペースアップ。三原は5周目に6位、國峰は8周目に三原の背後に付けます。ベテラン勢が多い5台での3位争いの中に三原、國峰ともに加わって、なんとかそこから抜け出そうとチャンスをうかがいます。アベレージ的に安定している三原、國峰は着実に順位を上げ、ラスト2周となったところで三原がこの集団のトップに出ます。そしてこの周に、トップを走るマシンがトラブルでストップしたことから、三原が2位に浮上。さらに最終ラップには國峰が3位に上がり、チームで2位、3位フィニッシュとなりました。
日曜朝のウォームアップ走行では國峰が57秒482でトップ。三原は57秒992で9番手となりました。第2レースでは、第1レースで優勝した浦本修充選手がトップに立ち、これを國峰が追う展開となりました。一騎打ちとなり、5周目に國峰はコースレコードとなる57秒088というタイムで前に出ようとトライを続けますが、なかなかトップに出ることができません。ラストラップの1コーナー入り口で浦本選手のインに飛び込んだ國峰ですが、抜けきれずにラインを外し、遅れてしまいます。このため、3位を走っていた生形秀之選手にもパスされ、3位でチェッカーとなりました。一方の三原は、またしてもスタートを失敗。追い上げようとトライしましたが、焦りによってミスを連発。単独の走行となり、8位でゴールしました。
J-GP3
ウエットとなった木曜日。シーズンオフのテストが諸事情によりできていなかった菊池に関しては、少しでもマシンを走らせてセットアップを進めたいことから走行。1回目でトップタイムをマークし、2回目のセッションでは3番手となりました。
ドライの金曜日は1分1秒283で11番手、2回目は1分0秒882で10番手となりました。
J-GP3クラスの菊池は1分1秒000のタイムで13番手からのスタートとなりました。
決勝もドライ。朝のフリー走行で、マシンのセットアップを大きく変えた菊池は気温が上がらないコンディションながら、1分0秒426と前日の予選タイムを更新し、このセッションでトップに付けました。
J-GP3クラスの菊池寛幸はまずまずのスタートを切り、1周目11位、2周目9位、3周目7位と着実に順位を上げていきます。6周目に5位まで上がり、さらに8周目には4位に上がりましたが、直後の最終コーナーで転倒。そのままリタイヤとなりました。
予選
J-GP2
計時予選(第2レースグリッド)
2位 國峰啄磨 57秒469
6位 三原壮紫 57秒673
スーパーポール(第1レースグリッド)
5位 三原壮紫 58秒057
10位 國峰啄磨 58秒813
決勝
第1レース
2位 三原壮紫
3位 國峰啄磨
第2レース
3位 國峰啄磨(5周目に新コースレコード57秒088を記録)
8位 三原壮紫
J-GP3
予選
13位 菊池寛幸 1分1秒000
決勝
DNF 菊池寛幸
ライダーコメント
三原壮紫
「第1レースはとにかくスタートがすべてでした。集団の中で前のライダーの走りを分析し、パッシングポイントを決め、それを実行できたのが2位獲得に繋がったと思います。その勢いをそのまま第2レースに持ち込めればよかったのですが、またしてもスタートで失敗。そこで冷静になろうとしたのですが、焦りがあったようでミスを連発し、単独走行になってしまいました。安定して走れるようしっかりと今回のレースを分析し、次に繋げたいと思います」
國峰啄磨
「結果的には2レースとも3位で終わったのですが、第2レースではトップを常に射程距離におくことができました。このままでは追われないと、決めていた1コーナー入り口イン側へ最終ラップに飛び込んだのですが、抜けきれずラインを大きく外し、3位になってしまいました。実際にレースを走ってみて、たくさん学ぶことができました。これをしっかりと次のもてぎのレースの結果に活かしたいと思います」
菊池寛幸
「シェイクダウンがレースウイークの木曜日になったということで、マシンのセットアップを決勝スタート前までバタバタしながら準備することになりました。まだまだ問題点も多く、一つ一つ解決するのは大変ですが、走り出したことでそれらが明確になりました。まだまだ納得のいく走りができるレベルではありませんが、焦らず着実に積み上げていきます」