2016第3戦レースレポート

全日本第3戦が5月28日・29日に栃木県ツインリンクもてぎで開催されました。H43 Team-NOBBYから、J-GP2クラスに三原壮紫と國峰啄磨が、H43 Team-NOBBY&ウイリーからJ-GP3クラスに菊池寛幸が参戦しました。三原と國峰は今年からJ-GP2クラスの600ccマシンに乗ることから開幕前より筑波、このツインリンクもてぎで意欲的に走行を重ね、マシンへの順応を進めてきました。一方の菊池寛幸は彼自身が京都に住み、またメカニックも鈴鹿をベースとしていることから、鈴鹿サーキットでテストを進め、この第3戦のレースウイーク入りとなりました。

レースウイークは金曜日のART合同テスト、そして翌土曜に予選、そして日曜の決勝と進みます。土曜、日曜と晴れの天気予報が出ていたことから、金曜はドライコンディションで走行しておきたかったのですが、残念ながら朝から雨が降ってしまい、午前中はフルウエット。午後になって雨は止みましたが、J-GP3クラスは一度もドライでの走行ができませんでした。J-GP2に関しては金曜午後の走行がドライコンディションとなり、ここでこのコンディションに合わせたセットアップを進める時間が確保できました。

J-GP2クラス

予選は土曜日の午前10時5分から35分間行われました。國峰は2周目に1分54秒台へ入れるとその後もコンスタントに54秒台で走行。ベストタイムは11周目の1分54秒079で10番手、4列目からのスタートとなりました。また三原も1分55秒台から54秒へ入れ、ベストタイムはラスト15周目の1分54秒078。この結果、9番手、3列目グリッドとなりました。
決勝朝のウォームアップ走行では國峰が1分53秒721と自己ベストタイムをマークし、このセッションでトップとなりました。三原も5番手と好調で、決勝への期待が高まります。いよいよレースがスタート。うまく飛び出した三原に対し、國峰はミスしてしまい、順位を下げてしまいます。トップが3周目のラップを1分54秒9で走るのに対し、5番手まで上がった三原のタイムが1分54秒858と上回り、トップを追走します。しかしこのハイペースが裏目に出てしまい、5周目に転倒。リタイヤとなってしまいました。國峰もペースアップし、順位も5周目6位、8周目5位とアップ。タイムも6周目に1分54秒540まで上がりました。9周目には4位となり、表彰台圏内が見えるところまでたどり着いたのですが、17周目に転倒。再スタートし、一時は12位まで順位を落としましたが、そこから9位まで上がったところでゴールとなりました。ですが再スタートしてコース復帰の際、後続車両の前に出てしまって走行を妨げたと判断され、失格となってしまいました。

J-GP3

第1戦後に大幅なマシン仕様変更を行ったことから、予選、決勝に向けてドライでのセッティングを進めたいところでしたが、金曜日はあいにくの雨となってしまいました。このために土曜の予選時間を使いながらセットアップをしなければならない状況となってしまいました。それでもベテランらしく、マシンを仕上げながらタイムも上げ、11番手で予選を終えました。
今回の決勝グリッドには、グリッドパスを購入した多くの観客が入れることから、サイティングラップ時間に余裕を持たせようと、10分間と長めの時間が確保されました。これを菊池は利用し、1周走行してマシン状況を判断し、ピットに戻って微調整。スターティングリッドへ向けて再度コースインして決勝への準備を進めました。
そうした慌ただしい作業の中でレースがスタート。得意のスタートを見せ、1周目に5番手までジャンプアップ。トップは序盤から独走態勢に入り、菊池は3位グループの中でさらに上位進出をうかがいます。2位のペースが落ちてきたことから、3位グループが2位争い集団となりました。2位に上がるシーンも見せた菊池ですが、マシンの熟成度で厳しい面があり、このグループの2番手、全体では3位でチェッカーとなりました。

予選
J-GP2
予選
9位 三原壮紫 1分54秒078
10位 國峰啄磨 1分54秒079

決勝
DNF 三原壮紫
DQF 國峰啄磨

J-GP3
予選
11位 菊池寛幸 2分2秒930

決勝
3位 菊池寛幸

ライダーコメント
三原壮紫
「テストは今ひとつだったのですが、レースウイークに入って良い感じでタイムアップができていました。決勝はスタートがうまく決まり、前を走るライダーのペースより自分の方が速かったので前に前にとプッシュしたのですが、満タン状態では少し激しくプッシュしすぎてしまったようで、あっという間にフロントが切れ込んで転倒してしまいました。今後はマシンの状態もしっかりと把握しながら、置かれた状況を冷静に判断して走るように心がけたいと思います。ですが今回、このクラスのトップライダーたちを上回るペースで走れたことは大きな自信になります。さらに練習を重ね、優勝できるように頑張ります。」

國峰啄磨
「筑波のレースの後、さらにレベルアップのためにはライン取りの工夫が必要だと感じ、その修正をテスト、レースウイークとトライしていました。マシン的にはブレーキング時の安定性に少し問題があり、結果的にはそれが解決できず、決勝での転倒につながってしまいました。スタートでミスしてしまい、大きく順位を落としてしまったのですが、その後は冷静に1台ずつ抜いて順位を上げることだけ考え、集中して走りました。急に気温も上がり、その中で追い上げの展開となってタイヤを酷使したのも厳しい状況となってしまった一因かもしれません。また再スタート時のコース復帰の仕方に関して他のライダーに迷惑をかけてしまったのは申し訳なく思います。今後はそうしたことがないよう、安全にはより一層の注意を払いたいと思います。」

菊池寛幸

「事前テストができず、ドライの走行データがなかったのが少し厳しい展開となってしまいました。それでも土曜、決勝朝のフリー、さらにサイティングラップまで時間をフルに使ってセットアップを進め、メカニックも色々考え、マシンを仕上げてくれたのはとても力強いサポートになりました。それでもマシン的にはライバルを上回るレベルまではいってなかったので、主導権を握って2位争いの集団をコントロールするところまでには至りませんでしたが、なんとか3位表彰台に上がれたのは良かったです。次のSUGOはテストに参加し、表彰台の中央がねらえるように頑張ります。」

上田 昇監督
「J-GP2の二人は今シーズンからJ-GP2マシンにスイッチし、600のマシンに順応できるように筑波、ツインリンクもてぎと走れる機会はすべてといっていいくらい走り込んでいます。その甲斐があり、やっと600のマシンを乗りこなせるようになってきたと感じています。安定して自己ベスト付近で走れるのは彼らの強みですが、さらに上のレベルに行くために、マシン、ライディングなど、トータルでの再構築をしているのが現状の彼らの状況です。彼らが目指すGPでは、金曜・土曜4回のセッションを走り、そこでマシンを仕上げて決勝で成績を残さなければならず、そのためには自分の走りの武器というものを磨き上げながら、同時にそれを自分自身で把握しなければなりません。そのレベルに到達するため、勉強中です。決勝は急に気温が上がり、経験値がどれくらいあるか問われるレースとなってしまい、彼ら二人には厳しい状況となってしまいました。結果は残念ですが、最後まで攻めるレースができましたし、充実したレースウイークでした。必ず次に繋げてくれると思います。J-GP3の菊池選手は事前テストができず、それが最後まで響いてしまいました。ですがメカニックがとても頑張ってマシンを仕上げ、それにライダーが応えるという良いコンビネーションを見せてくれたのは、チームにとってとても良いことだと感じています。久し振りに菊池選手が表彰台に上がってくれてとても嬉しいですし、今後の彼のレース活動のスタート地点にやっと立てた気がしています。今回もたくさんの方に応援いただきました。ありがとうございました。次も全力で頑張りますので応援、宜しくお願いいたします。」

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