2016第4戦レースレポート

全日本第5戦が5月24日・25日に宮城県スポーツランドSUGOで開催されました。本来であれば第3戦ツインリンクもてぎ大会後は第4戦が大分県オートポリスで6月11日・12日に行われるはずでしたが、地震のためこの第4戦、さらに9月に予定されていた第7戦も中止となり、今シーズンは全7レースでの戦いとなりました。今回の第5戦にH43 Team NOBBYから、J-GP2クラスに三原壮紫と國峰啄磨が、H43 Team NOBBY&ウイリーからJ-GP3クラスに菊池寛幸がそれぞれ参戦しました。毎年、梅雨のまっただ中に行われるこのレースは、雨に悩まされる大会となっています。レースの1週間前に行われた事前テストはウエットから路面が乾いていく微妙なコンディションとなり、ウエット、ドライどちらのセットアップも進められないという厳しい状況となってしまいました。ここまで事前テストに参加できなかった菊池がやっとこれに加わることができ、マシンのセットアップを進めたいところでしたが、このコンディションのためにそれができずじまい。國峰もマシントラブルが起きてしまい、それぞれが課題を抱えてのレースウイーク入りとなりました。

心配されていた天候ですが、金曜の午前中はウエットになってしまったものの、その後はほとんど降られず、決勝までドライで走行することができました。

J-GP2クラス
金曜日のART合同テスト1回目の走行で國峰はテストと同じトラブルが出てしまい、ここでライバルに対し大きく出遅れてしまうことになってしまいました。2本目は路面もドライになり、時間をフルに使って走行できましたが、順位は14番手。一方の三原も今一つリズムに乗ることができず、1回目10番手、2回目12番手と足踏み状態が続きます。翌日の予選では、三原が12番手、國峰は14番手と、前日の順位を上回ることができませんでした。
ここまでの流れをチームで振り返り、決勝へ向けセットアップを進めて臨んだ決勝朝のウォームアップ走行ではマシンのフィーリングが向上。國峰が4番手、三原7番手と順位を上げることに成功しました。決勝での活躍の期待が高まる中でレースがスタート。うまくスタートを決めた三原は1周目を9番手でクリア。さらに上位を目指しましたが、積極的な走りが裏目に出てしまい、2周目の4コーナー立ち上がりで転倒。リタイヤとなってしまいました。國峰はまずまずのスタートでオープニングラップ13位。2周目12位、7周目10位とポジションアップしましたが、最終的には11位でゴールとなりました。

J-GP3
開幕前から十分なテスト走行時間が取れない菊池はそれを挽回しようと、ウエットになってしまった金曜日1回目のセッションから積極的に周回を重ねます。1回目は6番手、ドライとなった午後のセッションでは11番手と、やはりテスト不足がドライでの走行で露呈してしまいます。しかしそれでもチームでミーティングを重ね、対策を施し、翌日のドライでの予選では、前日のART合同テストのタイムより1秒短縮し、6番手となりました。
決勝朝のウォームアップ走行でもさらにセットアップを進め、8番手で終了。いよいよ決勝を迎えます。順調にスタートを切り、上位グループに付けます。この中から3台のマシンが抜け出し、その後ろの4位グループに菊池は加わります。その後、トップ争いの中から1台が菊池のグループに飲み込まれ、この集団が3位争いとなりました。安定してこのグループの前で菊池はラップ。迎えた最終ラップで赤旗が出され、そのままレースは終了。常に集団の前を走っていた菊池は前回のレースに続き、3位表彰台獲得を果たしました。

予選
J-GP2
予選
12位 三原壮紫 1分31秒.721
14位 國峰啄磨 1分32秒054

決勝
11位 國峰啄磨
DNF 三原壮紫

J-GP3
予選
6位 菊池寛幸 1分38秒075

決勝
3位 菊池寛幸

 

 
ライダーコメント

三原壮紫

kuni
「事前テストから天候に恵まれず、自分自身の調子も今ひとつ上がりませんでした。決勝朝のウォームアップ走行になってだいぶマシンのフィーリングが良くなり、モチベーションも高く臨んだ決勝だったのですが、2周目に転倒してしまいました。周りの状況も冷静に見ていたし、それほど無理にペースを上げたつもりはなかったのですが、もしかすると少しでも早く前に追い付こうと無意識にスピードを上げてしまったのかもしれません。レースウイークの流れ、自分自身の走りをもう一度分析し、次はこうした失敗をしないようにしていきたいと思います。」

國峰啄磨

taku
「事前テストからマシントラブルが続いてしまい、レースウイークに入ってもART合同テスト1本目に同じトラブルからほとんど走れず、そこでライバルに大きく差を付けられてしまいました。なんとかその後に挽回しようとトライしたのですが、決勝ではリアのグリップが得られず、ライディングでカバーしようと試したのですがまったく症状は良くなりませんでした。今年参戦1年目のクラスということで経験不足という面はあるのですが、それでもトップライダーなら技量でカバーしているはずで、まだ自分なりにできたことはあるはずです。もっといろんなことにトライし、成長したいと思います。」

菊池寛幸

kiku
「徐々にマシンのセットアップは進んでいますが、今回のレースではトップ2台との差は歴然としたものでした。それをいきなり覆そうとしても難しいので、今回は置かれた状況の中でとにかくベストを尽くそうと、3位グループのトップでチェッカーを受けることに集中しました。まだマシンの仕上がりは思うようなレベルに到達していませんが、メカニックが頑張ってセットアップしてくれているので、それで今日のレースは助けられました。さらにチーム一丸となり、勝てるマシンに仕上げていきたいと思います。」